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経営
「労働分配率」というのは、会社全体の粗利のうち
何パーセントくらいを人件費に配分しているか、というものです。
例えば、粗利1億円・従業員数が10人の会社があったとして、
平均年収が500万(=人件費合計5000万円)なら労働分配率50%、
平均年収が400万(=人件費合計4000万円)なら労働分配率40%となります。
(なお「人件費率」とよく混同されるのですが、人件費率は「人件費÷売上」。
労働分配率は「人件費÷粗利益」です。)
労働分配率は人件費率よりも重要な数字で、
企業経営における財務分析の5大指標と言われているそうです。
業界によって労働分配率の傾向は大きく違っているのですが、
人件費割合の高いサービス業では6~7割が平均的な数値となっているようです。
http://blog.sr-inada.jp/keiei/roudoubunpairitsu.html
(特定派遣をやっているような人材派遣会社などは、8割を超える模様)
平均年収1000万にするために?
仮に労働分配率6割で考えた場合、
社員の『平均年収』を1000万円以上にするためには
「どの程度の生産性を発揮する必要があるのか?」を考えてみたいと思います。
(※計算が苦手な方は、しばらく飛ばして読んでください…)
まず、1000万円を0.6で割ると大体1666万円になり、
社員1人あたり年間1666万円の付加価値(粗利益)が求められるということがわかります。
年間の休日数が105日だとすると営業日が260日ですので、
1日あたり1人『64076円の粗利益』を出す計算になります。
1日の業務時間が8時間であると仮定すると、一時間あたり約8千円/となります。
しかし、1日8時間のうち常時「収益の出る仕事」に集中できるわけではなく、
当然利益につながらない仕事・雑務も発生します。
ここで、そういった時間が1日のうち2時間程度発生すると仮定しましょう。
すると1日8時間のうち、残り6時間前後で64076円の粗利益を出す計算になってしまいます。
(※計算が苦手な方は、ここから読んでください)
これを時間あたりに換算すると、
『だいたい1時間1万円前後』というわかりやすい数字が算出できます。
この計算から何が言えるのか。
この計算を基準にして考えると、下記のことが言えます。
『社員の平均年収を1000万円以上にしようとした場合、その社員の1時間あたりの生産性(粗利益)が1万円を下回ったら労働分配率が6割を超える(=人件費の割合が過大になってしまう)』
ということです。
もしくは、
『その社員の1時間あたりの生産性(粗利益)が平均1万円を下回っていると、労働分配率6割の場合 その社員の年収は1000万円以下になる』
という事でもあります。
なぜこの数値が大事なのか
創業当時はとにかく売上をあげなければいけないという場面もあり
「追加コストが発生しなければとにかくやる」というスタンスでした。
「粗利益>0」であれば、業務時間を増やしてなんとかやろう…という考え方ですね。
しかし、ある程度収益が立ってくると、次のステージに行かなければいけません。
やるべき仕事、やるべきではない仕事を見極め、
優先順位の高いものに注力して進めていかなければいく必要があります。
そうなった時に「やるかやらないか」の基準となるものは、
その案件自体の収益性、社会的意義、担当者の成長など色々あるのですが
中でも一番わかりやすいのが収益性です。(数値化しやすいので)
お仕事の依頼をいただく時も、受けるかどうか迷ってしまったら
「その仕事は1時間1万円以上の価値を発揮できるか?」
とメンバーに問うようにしています。
(ただし、金銭的なリターンが1万円以上でなかったとしても、
担当した社員の成長につながるとか、他事業とのシナジーが期待出来る場合は
将来への投資だと考えて受けていることも多いです。)
単純作業に関しては、必要に応じて外注することも考えられますので
そういった時の判断基準としても有用ではないかと思います。
1時間1万円以上の価値がある仕事を常にできていれば年収1千万円以上もらう事ができるし、
1時間5千円程度の価値がある仕事しかできていなければ年収5百万円程度…という計算になります。
固執するのはマズイが、目安として使える
ただしこの基準に固執しすぎると、身動きが取りづらくなってしまう側面はあります。
ですので固執はしていないのですが、わかりやすい指標として重宝しています。
報酬額が決まっている場合、
作業に必要な時間を見積もれば採算に見合うかどうかがわかりますし、
見合わない場合、やり方を根本から変えるか、見送るという判断になります。
もちろん、小さなベンチャー企業の場合だと特に
そこまで「割の良い」案件ばかり手がけられるわけではありませんし、
実態としては『時間あたりの生産性の低さを 労働時間で補っている』会社が大半だと思います。
しかし、それを当然のことだと考えていてはダメで、
『根本に近い部分から業務の進め方を変える手がかり』にするためにも
ある程度 目標値は高くしておくことが必要だと思っています。
言い換えると「業務フローを改善していくため、基準となる目標数値」なのです。
あとは設定した目標値に対して
どういう行動が効果的だったか、どういう行動が効果的ではなかったか
…というPDCAサイクルを回していく事が重要だと思います。
実際「1日のうち●時間は、1時間あたり☓☓☓☓円以上のバリューを出さなければ!」…と思いながら仕事していると、適度に良いプレッシャーにもなるかと思います。
ちなみに、このブログを書くのに要した時間は30分程度。
5000円以上の価値があるならOKということになりますが、
果たしてそれだけの価値はあるのか、どうか…(笑)
社員1人当たりの粗利益について
なお、先ほどの計算では1人あたりの粗利を1666万円としていましたが、
実際には1500万円前後が1つの基準になっている模様です。
メモ:粗利益を社員数で割った金額(社員1人当たりの粗利益)が基準となる。この金額が1,500万円あれば、すごく儲かっていないが、絶対に損もない。これはどんな業種でも当てはまる。 ow.ly/8tIIc— 酒井一樹@就職SWOT (@sakaikazuki) January 16, 2012
Continue Reading »創業時から山手線沿線でシェアハウス事業をやっていたのですが、
昨年秋から徐々に縮小し、先月までで撤退することになりました。
今後は、今まで以上に自社メディア事業に集中していきたいと思っています。
シェアハウス事業の縮小を決めたのは昨年9月くらいでしたが、
あのタイミングで撤退決めてなければ、今もっと大変だったんだろうな…なんて思う今日この頃。
事業撤退も思えば貴重な経験だったと思うので、
ポジティブな意味で、振り返ってみようと思います。
(超長文です)
どんな事業だったのか?
一言で言えば、「都心部にシェアハウスを作り、貸し出す」という事業。
要点を書くと、
●専有面積60平米~100平米以上の物件をオーナーさんから(なるべく安く)借りて、
●1物件に10人くらい住めるようにして、
●1人あたり~万円の価格で貸して、住んでもらう
という流れ。
自社物件を買うのはリスキーなので、オーナーからサブリースした物件を
シェアハウス化しているというのが味噌。
「入居者からもらう家賃」-「オーナーに払う家賃+運営にかかる経費」
が利益となる事業である。
物件の確保から内装の工事、入居者集客、物件管理と、
運営物件に関わることは上流から下流まで全業務を担当することになる。
立ち上げた背景
エイリストを立ち上げたのは2009年だったのだけれど、
2009年といえば、ちょうどルームシェアとかシェアハウスという言葉が流行っていた頃。
リーマンショック後ということもあって、生活費を抑えたい人も多かった。
(一方で、物件オーナーさんも、都心部の物件で空室が増えて苦労をしていました。)
もちろん友達とルームシェアをする人も多かったのだけれど、
ネット上で見つけた人とルームシェアする人だとか
誰かの運営するシェアハウス(ゲストハウス)に住もうとする人もそれなりにいた。
シェアハウス事業をやっているという知人の物件は大体どこも盛況だったし、
フリーターが片手間で運営して、自身の所得だけで年収800万くらいになっているという事例もあった。
そんな状況を見ていて、当時不動産に興味を持っていた僕は、
「これは自分でもやってみたい!」という考えを持った。
大工仕事から入居者対応まで
シェアハウスというと、1つの部屋にベッドが複数個置いてあるドミトリー(相部屋)タイプや
1人が1部屋ずつ利用する個室タイプをイメージされる方が多いかもしれない。
僕が最初作ろうとしていた物件も、そういう物件だった。
でもそういう形式のシェアハウスは他にたくさん合ったため
後発企業としては何か「アピールポイント」が欲しい。
そこで知人のアドバイスを受けて至った結論が、「半個室」のシェアハウスを作るということ。
イメージとしては、
カプセルホテルとネットカフェを足して2で割ったような空間といえばいいのだろうか。
個室タイプよりは安く、ドミトリーよりはプライベートを保てる…という良いとこ取りを目指して、
山手線沿線・半個室で家賃3万円台という感じで価格設定していた。
(初期費用ありの場合。初期費用なしなら4万円台後半になる)
半個室にするための壁などはどうするのか?というと、
ホームセンターから木材と金具を調達して、自分たちで組み立てるのである。
木材にドリルで穴を空けたり、金具を固定したり、ドアを取り付けたり…。
今でこそインターネットを使う事業ばかりやっているが、
当時は大工のようなこともやっていた。
この時の費用が実は結構かかっていて、最初の頃に作った物件は
なんと木材・金具などの材料だけで1物件100万円。
後期型の物件は1件あたり40万円くらいで作れていたので、
今思えば費用をかけすぎだったと思う。
物件入居時の初期費用(敷金・礼金・仲介手数料etc…)は別にかかっているわけで、
エイリストの設立初期は結構な財政難。
正直言って胃が痛かった。
(※資本金は1円なので、運転資金は基本的に僕個人が会社に貸付していました)
ちなみに、初期に作った物件のクオリティは正直低かった。(と思っている)
地震は問題なく乗り越えたので、ある程度頑丈には出来ていたようだが、
よく「ネットカフェの個室みたい」なんて言われていた。
後期型物件はその辺りを反省し、空間の使い方を工夫し
1部屋あたりの専有面積増(とコスト削減)に成功した。
1~2週間の突貫工事で物件を立ち上げて
完成まであと少しというところまで来たら、入居者募集の告知を行う。
始めた当時は募集を出すとかなり反響があって、
告知すると無料媒体だけでも1日2~30人くらいから問合せが来ていた。
その中で1日4~5人が見学に来て、そのうち1名入居が決まる。
月末に見学に来る人が多く、月末の10日くらいで空室は一気に埋まる。
入居希望者は、フリーターもいればサラリーマン、自営業、学生、
転職活動中の方など、老若男女いろんな人が来る。
もちろん20代が圧倒的に多いのだけど、たまに40代・50代の人も。
どっちかというと男性の方が多いのだけど、女性もそれなりに来る。
モデルをやってるような女の子もいれば、ホスト・キャバクラ勤めの人もいたし、
ネットワークビジネスやってるような怪しい人も来た。
普段なかなか接しないタイプの人も多い。
当初は僕自身がシェアハウスにPCを持ち込んで待機し、
内覧申し込みの受け付け、内覧対応から入居対応までやっていた。
1人の内覧にかかる時間は15分くらいで、
尚且つこちらは現地で待っていれば良いので時間のロスは少ない。
それ以外の時間は他の仕事に充てることが出来た。
設立1年目で月商150万・粗利50%
そんな感じで、10人入れる物件を作ったら1ヶ月も経たずに満室になったりしていた。
退去する人も多かったけど、それ以上に問合せが来るので、割とすぐ埋まる。
入居者と同時に住み込みの管理人も募集し、
家賃+αくらいの報酬で物件管理や内覧対応の手伝いもお願いした。
(中には優秀な人もいて、自分が見学対応するより決定率が高いという人もいた)
満室になったら次の物件を探し、物件が見つかったらまた突貫工事。
完成したら入居者を募集し、また1~2ヶ月で埋まる。
もちろん、途中でトラブルは多々起きた。
洗濯物を洗濯機に入れたまま放置する人がいるとか、
1人で1時間以上風呂を独占している人がいるとか、
隣の人がうるさいとか、
自室で目覚まし時計をかけたまま鳴り続けている人がいるとか、
そういった住人同士のトラブルも多かった。
冷蔵庫の食べ物がなくなったとか、
金目のものがなくなったというような窃盗騒ぎもあった。
トラブルが起き、たまにやめてしまいたくなりつつも
物件立ち上げ→満室化のサイクルを何回か繰り返した。
すると、設立1年目で4物件が立ち上がり、
月商は150万に達し、なおかつ粗利も50%くらい出ていた。
これは個人事業レベルでの話だとは思うのだけど、
一般的な不動産屋の基準で、「業界未経験者が設立1年目で月商150万円」
というのは割とすごいらしい。
「ネットの事業もやってる」と言うと、
「それだけ儲かってるなら、シェアハウス事業をもっと伸ばしなさい」と言われるほど。
自分としてもまんざらではなく、強気に
「あと1年ちょっとで年商1億・粗利50%くらい行けるかな」とか
「海外にも作ろうか」なんてことを考えていた。
都内に大きな物件を複数所有する、資産家とつながりができたのもその頃。
物件がありすぎて、持て余しているようだった。
その人の持つ物件をシェアハウス化すれば、合計で200名は入居できる計算になった。
単価5万円とすれば、月商1000万・年商1億円が見えてくる。
(ちなみにオーナーの希望もあり、
シェアハウス事業とシェアオフィス事業を同時に走らせようという計画も出た。)
「物件を作るノウハウと集客のノウハウはあるから、後はやるだけ」
そんなふうに思いつつ、オーナーとの交渉を進めた。
雲行きが怪しくなる
そのままうまく行っていれば今頃はバリバリの不動産屋さんになっていたかもしれないのだが、
事業を始めてから1年経った頃、急に雲行きは怪しくなってくる。
入居希望の問合せが格段に減ってしまったのである。
1日20~30件くらい問合せがあったものが、1日1~2件くらいになった。
見学から入居の決定率はそんなに変わらないので、新規入居者も減る。
その当時はちょうど新しい物件を立ち上げた頃で、物件は合計で5つになっていた。
新物件も含め、今まで以上に入居者を増やさなければいけない。
それが逆に減ってしまったのである。
その一方で退去者は今まで通り出る。
空室率はドンドン上がっていく。
「需要過多に頼り切り」だったことが、ここに来て裏目に出た。
8~9割で推移していた稼働率が、5~6割にまで落ちて行く。
この事業モデルは、稼働率9割なら粗利率50%を超えるが、5割では赤字となる。
初期投資もまだ回収中なのに、ランニングで赤字になってはどうしようもない。
集客を強化しなければと対策を練り 多少は回復するものの、せいぜい入居率6割前後。
しかも短期入居者を一時的に入れるという方法で、焼け石に水。
退去した分の空室を埋めるのがやっとというペースになる。
そんな状態が1~2ヶ月くらい続き、
ついに5物件のうち1つ、高輪台の物件は閉鎖しようということになった。
こうして五反田2物件、鶯谷2物件体制となる。
資金ショート
そんな状況でも、まだ拡大路線は捨てきれずにいた。
「季節要因もあるはず…」
「物件の形式を変えればまだ可能性はある…」
そんなことを考え、あきらめきれずにいた。
その時自分の考えていた「可能性」というのは、
在庫リスクを排した、オーナーとの新しい契約形態に関連していた。
従来の契約では5LDKなら5LDKを丸ごと借りるため、
「埋まっていない部屋」に対してもオーナーへの家賃支払が発生していた。
それに対して新しいオーナーとの契約では、物件全体をサブリースするのではなく
「入居者1人ずつ」部屋をサブリースする方式でお願いしていたのだ。
どういうことかと言うと、入居者のいない部屋については
オーナーに対して支払をしなくてよいことになっていたのである。
つまり、エイリストにとっては「在庫リスク」がない。
(人材業界で言うと、特定派遣から一般派遣に切り替えるような発想に近い。)
「だから新物件を立ち上げても問題ない…」
そう考え、新規候補物件の保有者であるオーナーとの交渉も続けていた。
ただ、在庫リスクが無いとはいえ立ち上げに多大なマンパワーが必要なのも事実。
また、オーナーにしてみれば「やってみたけど空室埋まらない」では済まされない。
オーナーと初対面した時と状況が違うのはもはや明白だったが
そうともなかなか言い出せない。
さらに、5物件目を立ち上げた時の出費によって、資金的にはショート寸前だった。
色々な案件の入金が9月末だったこともあって、
それまでの1ヶ月間は一番厳しい時期だったかもしれない。
メンバーからは、「エイリストは資金調達しないのか?」とも聞かれたと記憶している。
そんな状況でも資金調達しなかったことにはいくつか理由があるが、
万一 資金調達をするなら、それは「拡大のための資金調達」しかないと思っていたためである。
その場しのぎで資金調達をしても意味がなく、
それを使い切った時、さらに厳しくなるだけである。
下手にキャッシュを持ち、「まだ余裕がある」と油断してしまうのも避けたかった。
冷静に考えれば、シェアハウス事業を拡大できないのは明白だった。
新オーナーの物件に着手するならば、当然さらなる投資が必要になるが、その資金はない。
儲かる事業でなければ、そもそも投資する意味が無い。
そしてシェアハウスがもはや儲かる事業ではないということは、
入居サイクルが短く、問い合わせが減っている状況を見ていれば容易に理解できることだった。
別のターゲットを狙っている業者でうまくいっている事例はもちろんあるのだが、
自分の狙っていた市場は大ハズレだったのだ。
事業転換の意思決定
そしてついに、「事業撤退」を決意する時が来た。
高輪台の時のような「一物件閉鎖する」だけでなく、
「シェアハウス事業をこれ以上大きくしない」
「むしろ徐々に小さくしていく」という撤退の意思決定である。
プライベートな事が絡んでしまうため詳細には書かないが、きっかけは
自分に近しいある人に、事業の状況を話した(話さざるを得なくなった)事だった。
洗いざらい話した僕が言われた事、要点は
・その事業が会社を厳しくしている原因なら、やめるしかない
・今のまま突き進んでも、新物件のオーナーに迷惑をかけるだけ
・インターネット事業が本分なのだから、そちらに注力するべき
ということである。
正直なところ、自分でも薄々わかりはじめていた事ではあった。
ただ、チャンスを逃したくないという焦りもあったし、見栄もあった。
だから潔く撤退を決めることが出来ず、ズルズル行ってしまったのだと思う。
「事業がうまくいっていない」という事を認めたくなかったのである。
「これはまだ投資の最中だから、そういう事もある」という
言い訳をして、騙し騙しやっていたのだ。
自分が未熟だったと気づき、
まずは新物件候補の所有者であるオーナーにも状況を正直に伝えた。
「ここ何ヶ月かでシェアハウスの市況が大きく変わってしまった」こと。
「今のまま物件をシェアハウス化しても、期待するほどの収益が得られない」こと。
「自社単独では、オーナーの持つ物件全体を満室にするのは難しい」こと。
口頭で伝えた後、念のため詳細をメールでも送って欲しいと言われ、
作成した資料をメールでも送付した。
同時に、オーナーが「それでも物件をシェアハウス化したい」と言う場合に備え、
他のシェアハウス業者への引継ぎも考え、根回しをしていた。
しかしその後、そのオーナーとは音信不通になった。
シェアハウス統合
新物件立ち上げをあきらめるのとほぼ同時に、事業縮小にも着手し始めた。
一番最初にメスを入れたのは、立ち上げたばかりの5つめの物件。
まだ入居者もほとんどおらず、影響を最小限に抑えて、物件を1つ減らすことができる。
とはいえ、ただ借り手がいなくなるだけでは、オーナーにも申し訳ない。
色々と手を回して、シェアハウスを運営している別の知人を紹介することにした。
これで五反田2物件、鶯谷1物件の3物件体制になった。
その後、ルーチン業務はメンバーのTくんに任せ、自分はネット関連の事業に集中。
4月に五反田の物件を1つ閉じ、7月に五反田のもう1つの物件を閉じた。
鶯谷の1件はまだ残しているが、事業用のシェアハウスというよりも、
社宅のような使い方をしていくつもりである。
だから事業としての「シェアハウス」は、ほぼ終わった状態なのである。
2012年追記:社宅の方も、翌年3月に終了させることになりました。
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なぜうまくいかなかったのか
以上、シェアハウスの事業の変遷を振り返ってみました。
かなり長々と書きましたが、これでもまだ沢山の話を省略しています。
(色んなネタがあるので、それはそれで機会があればまた書いてみたいと思っています)
やはり一番の問題は、
需要の増減を読んだ上での事業拡大が出来なかったということ。
もちろん低価格シェアハウスのブームがずっと続くとは思っていなかったけれど、
こんなに早く終焉するとも思っていなかった。
「空室という名の在庫リスク」の存在も大きいのですが、これは根本の問題ではありません。
なぜなら、エイリストがリスクを負うかオーナーが負うかの違いでしかないからです。
エイリストで在庫リスクを負わない契約でやっていたとしても、
空室を埋められなければ結局事業は継続できません。
二番目の理由を挙げるとすれば、
「長期入居者」を十分に確保できなかったことだと思います。
トラブルで退去した人もいるのですが、
そもそも短期入居前提の入居者が多かったことが問題。
要は、サービス設計が悪かったのです。
「初期費用が安くすむ」という特性上、
「お金が貯まるまで、一時的に住みたい」という人は来るわけですが、
やはり定着しないのです。
(中にはシェアハウス事業でうまく行ってる会社もあるのですが、
価格を訴求ポイントにしたところは軒並みうまくいっていないという印象です。)
3つめの問題として、利益構造的な問題もありました。
光熱費分を抜いて1人売上4万、2万が物件の「原価(オーナーへの支払)」だとすると、
1人の入居者から1ヶ月に出る利益は2万円。
その程度の利益で、入居期間が平均3ヶ月くらいだったら…
1入居者あたりのLTV(ライフライムバリュー)はせいぜい6万円程度。
広告費を1入居1~2万円で抑えたとしても人件費はかかってしまうので、
そうなると入居させる労力の方が圧倒的に高くなってしまいます。
この辺りの「1入居者あたりの利益」が極端に低いことが、
一般的な不動産ビジネスと違った点です。
大家業というのは何もしなくても家賃が入ってくるのが理想なのですが
低価格帯シェアハウスという業態では、
「常に」入居者集客と入居者案内をしていないといけない。
装置産業であり、それなりに初期投資がかかるにもかかわらず、
非常に労働集約的でもあるのです。
「一度入居すれば1年くらい居てくれるはず」なんて
甘い考えでやっていると痛い目を見るのです。
ただ前述の通り、シェアハウス事業をやっている全ての会社が
うまくいっていないわけではない。
それも踏まえて感じているのは、自分自身がこの事業に対して
「本当に必要な」適性が足りていなかったということ。
従来の不動産事業と違ったやり方で事業展開をした事などは
うまくいっている間は評価されることもありました。
でも今にして思えば、それは事業成功のために本当に必要な要素ではないのです。
ターゲット選定が間違っていたというのは確かなのですが、
仮にターゲットを変えたとして、自分がうまくやれたというイメージは全くありません。
(だからこそ撤退を選んだわけですが)
例えば方針転換をするとしたら
「高級志向型のシェアハウス」を目指すとか、
「外国人向けのシェアハウス」を目指すという路線がありました。
(この2つは、いずれも「交流」を付加価値としている。)
しかし高級志向のユーザーに受ける物件を作るセンスは僕にはありませんし、
高級志向になればそれだけ初期投資額も増大します。
外国人向けシェアハウスを作るとなると、
ネットで集客するのではなく、留学生の多い学校と組むとか
そういったオフライン展開の方が戦略とマッチします。
いずれにしても、本来の自分の強みとマッチしないと感じました。
そんなわけで、やはり原点回帰で自社のネットメディアを
運営していくことにしたのです。
シェアハウスの集客用に使っていたサイトも、
今は大手不動産ポータルと提携して、賃貸物件を検索できる情報サイトになっています。
http://hitorigurasi.info/
(ちなみに、↑のサイトはシェアハウス市場が縮小した後に
普通の賃貸物件を載せることを見越して「ひとり暮らし白書」というサイト名にしていました。)
今後は、「就職」と「不動産」の2分野を中心として
メディアをじっくり育てていきたいと思っています。
人間、やはり向き不向きはあるもので、
「向いていること」をやった方が良いのです。
投資金額的にも時間的にも寄り道になってしまいましたが、
この経験は不動産サイト運営事業を行う上での糧にしていきたいと思っています。
【追記】
はてぶでこんなコメントをいただきました。
>(前半略)シェアハウスって仲の良くなりそうな人間どう固めるかだと思うんで、入居者の内面や価値観に踏み込んだ話がほとんど見えないレポだとガワだけ用意したんじゃないかって読めるなあ。
まさにこれがおっしゃる通りで、
「低価格」を売りにしていたうちのシェアハウスでは
入居者属性を近くするとか、そういった部分は重視していませんでした。
(実際、低価格帯のシェアハウスに問い合わせてくる人は、
価格第一で、交流は二の次という感じだった)
入居者同士仲良くなれるようにというスタンスでやると、
必然的にターゲットとする市場が小さくなり、拡大には向きません。
また、そういうニーズでシェアハウスに来る人というのは、
半個室型のシェアハウスなんてあまり選択肢に入れておらず
ちょっと割高でも個室タイプを選ぶ傾向にありました。
実際、個室タイプのシェアハウスをやっている業者の話を聞いたことがあるのですが、
利回りは一般の不動産物件と比較して年利1~2%しか向上していないようでした。
もちろん設定価格にもよるとは思うのですが、
リフォームなど行った上で、年利1~2%しか変わらないとなると
ビジネス的にはあんまり旨みがありません。
そもそも自分たちで物件保有しているわけでもないし…。
(ちなみに、半個室型シェアハウスでは(理論上)利回りは2倍くらいになります。
利回り10%の物件が、8~9割ほど埋まっていれば利回り20~30%くらいになる。)
同時に、「自分に向いていない」と判断したのはここでもあります。
ソーシャルアパートメントさんとかはうまくやってるのかもしれませんが
僕はそういう感性的な仕事には弱いと自覚しています。(笑)
なので、「ガワだけ用意した」というコメントは当たりです。
Continue Reading »ウェブビジネスがうまくいかないのは、ウェブの本質を理解しない企業(経営者)の誤解によるものだ。「みんなやっているから」と安易にウェブを始めた企業はみな失敗している。
■ありがちなのは「ウェブは新しいツールだから、“何か新しいこと”ができるはず」として新規事業を起こし失敗するケース。ウェブは、今すでにやっている事業や強みをより強化するツールだ。新たな収益を約束する魔法の道具ではない。まず、リアルで行っている事業の延長から始めよ。
引用元: グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業 (幻冬舎新書) の要点まとめ~ブクペ~.
物凄く同感。
「ウェブ」を「ソーシャルメディア」に置き換えても同じことが言える。
「ソーシャルメディアを使って何かやりたい」と考えるのではなく
「自社の事業のために、ソーシャルメディアはどう活用できるか」を考えるのが重要。
同じようで全然違う。
運営サイト紹介筆者が運営に携わっているウェブサイトを一部紹介させていただきます。 ▼「転職SWOT」はエンジニア・コンサル・営業などの中途採用情報を検索できる情報サイトです。埼玉の中途採用情報(転職SWOT)http://swot.jp/job/kyujin/area_id/11 ▼「ひとり暮らし白書」は、エイリストで運営している不動産情報サイト。希望の条件をクリックするだけで、全国200万件以上の賃貸情報の中から好みの物件を探しだすことができます。千葉県の賃貸×ひとり暮らし白書http://hitorigurasi.info/chintai/addr11/12/ ▼おたすけナースは、Axas Consulting Japanで運営している看護師求人サイトです。横浜市中区の看護師求人情報@おたすけナースhttp://www.kangosi.biz/recruit/search/prefecture_id/14/city_id/981 ▼医療転職エージェントは医師のための人材紹介サービス。Axasで運営しています。(東京・大阪近辺を中心にサービス展開中)三鷹市×医師転職エージェントhttp://medical-shushoku.com/medical/search/list/pref/13/city/204
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