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フェイスブック ~若き天才の野望~【推薦書籍】

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読了。


珍しく絶賛します。
ウェブサービスに関わる人は寝る時間を削ってでも読むべき一冊。

以下、主観全開で感想を書いていきます。

【結論】 
映画だけ見て理解した気になっているのは絶対に損してる!
(特にビジネスマンの場合)

まず、この本の前に映画版について言及しておきます。

映画「ソーシャルネットワーク」は、あくまでもフェイスブックを「辞めた」人間である
エドゥアルドのインタビューなどをもとに話が作られている。

「訴訟のことをメインストーリーに掲げて、ITのわからない層にもわかりやすくなっている」
…というような評価をどこかで見かけたが、
これではハッキリ言って本質を描けていないと思う。

映画を観て、マーク・ザッカーバーグに対してどんな印象を持っただろうか。

「プログラミングの天才」だとか、「変人」だとか、そんなところではないだろうか。

フェイスブックを立ち上げた後も、
あれよあれよという間に大きくなってしまったように描かれていたように思う。

映画を観た後、どうも何か物足りない感覚を覚えながらこの本を手にとったが、
映画「ソーシャル・ネットワーク」に何が足りなかったかがハッキリわかった。

先ほど「本質」と曖昧に書いたが、要は次の2点である。
●フェイスブック関係者の努力と、その成長過程
●マーク・ザッカーバーグを中心とするフェイスブック関係者がその時々で何を考えていたのか
(特に、マーク・ザッカーバーグがどんな理念を持ってフェイスブックを運営していたか)

映画では、上記2点がほとんどわからない。
早々に戦線離脱した人物のインタビューをもとに作っているのだから、当然といえば当然だ。

以上、映画版について盛大にdisってしまったが、
それ程までにこの本の内容と落差があったということをお伝えしたかった。

この本について

それに対して、この本はザッカーバーグやフェイスブック社員のほか、
彼らの大学時代の友人やベンチャーキャピタリスト、有名経営者に取材して記した本である。

後半は、フェイスブックやネットワーク効果などに関する説明的な部分も多く
ウェブサービスに関する知識が深くない読者にとっては、ハードルが高いかもしれない。

しかし、最初の300ページくらいは企業の成長物語として
非常に刺激的な内容になっており、読み物として読んで損はない。

映画版とは内容の濃さが段違いであり、
ウェブサービスを運営する立場としては本当に興味深い話ばかりだった。

●フェイスブック拡大のために、どんな努力をしてきたか
●会社を売るか、売らないかという局面で、どんなことを考え、どう決断してきたか
●ユーザーの反応と、統計的に現れてくるユーザーの内心をどのように受け止めてきたか
●どんな時にブレークスルーが起きて、その成功体験を後にどう活かしていったか

などなど、学ぶべき点が本当に多かった。

なお、彼らがフェイスブック拡大のために取り組んできたことは、
立ち上げ期、
1つ1つ大学を増やしていた時期、
大学生向けSNSのスタンダードになった時期、
オープン化され世界的なSNSとなった時期と、それぞれのフェーズで当然違っている。

途中、新しい試みが失敗したこともあった。

ストーリーの詳細についてここでは書かないが、
この本を読み終わった今では、映画で焦点の当たっていた2つの訴訟など
フェイスブックにとっては「取るに足らない出来事」だったのではないかと思ってしまう。

少なくとも「最大の危機」でなかった事は確かだと思う。

なぜフェイスブックはここまで大きくなったのか?

最後に、この本を読んで感じたマーク・ザッカーバーグの「強み」を感じたまま
まとめたいと思う。

●「世界はこうあるべき」というところから逆算された「長期的視野」を行動に反映できること
 (宗教の域と言っても過言ではないかもしれない)
●既存の常識ではなく、ユーザー目線でサービスを構築できること
●上記2点に関して、周囲からの反対意見や圧力があっても自分の考えを押し通すこと

これらはそのまま、フェイスブックがここまで大きくなった理由でもあると思う。

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)

【余談】
なぜ日本では他の国よりもフェイスブックの普及が遅かったのか?という話をする時
「日本人は実名制に抵抗があるから」という話をする人が多いですが、
そうではなくて、単に日本語化されるのが遅かった事の方が大きいと思います。