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【組織運営のコツ】~コミュニティなのか?組織なのか?それが問題だ~(後編)

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先日、【組織運営のコツ】(前編)として、

●組織とコミュニティは性格のまったく違うものである
●組織とコミュニティを混同すると、トラブルが起きてしまう
●そのトラブルの原因は、モチベーション的な温度差にある
ということを書かせていただきました。

今回は、

●モチベーションの温度差によるトラブルを防ぐ方法
●コミュニティと組織の理想的な関係

について書きたいと思います。

モチベーションの温度差とは

モチベーションとは「動機付け」という意味。
まず辞書的な意味を紹介しておくと…

【動機付け】
生活体(人や動植物)を行動へ駆り立て,目標へ向かわせるような内的過程。行動の原因となる生活体内部の動因と,その目標となる外部の誘因がもととなる。(goo辞書より)

さて、組織の中で「モチベーションが低い」と言う場合、
その原因は単純にそのメンバー自身に
やる気がないというケースもあるが、それだけではないのです。

組織の中で「やらなければいけないこと」へ認識の相違がある時にも、
(組織の当事者からすると)モチベーションの低いメンバーが
出てくることになります。

例えば、
「●●をやる気はあるけど、××はやりたくない。」
なんて人が組織にいたとします。

もし「●●だけをやればいい組織」にいたとしたら、この人は
その組織内では「やる気のある人物」になることができるでしょう。

しかし、
「●●と××の両方をやらなければいけない組織」にいる場合、
この人は、自分の責任を果たさない、やる気のない人物に
なってしまう可能性があります。

モチベーションが高いか、低いかなんて
属する組織・コミュニティの方向性次第なんです。

そこで、「モチベーションの低い人」を出さないための解決策。

解決策1:
コミュニティを組織化せずに、独立させる

優良なコミュニティを運営してしまうと、
それを組織化して「何かやってみたい」という気持ちを
ついつい持ってしまいがち。

しかし、前回も書いたとおり、コミュニティの組織化は
トラブルの起きる原因になります。

もともと、コミュニティを形成した段階で、
そこに集まったメンバーには、共通の目標がありません。

ある人は、
「●●と××をしたい。しなければいけない。」

と思っているのに、別の人は
「●●をやってみたい!」(××には興味はない)

…なんて思ってるかもしれません。

後付で目標・目的を持ってきても、
みんながみんなその方向性に合致するとは限らないのです。

ではどうすれば良いのか、というと。
コミュニティ全体を「組織」として無理にまとめようとせず、
独立した新プロジェクトにしてしまえば良いのである。

既存のコミュニティ内で「分科会」として運営するのも良いし、
スピンアウトさせて新たな団体にしてしまうのも良いでしょう。

そうすると、コミュニティの中(外を含んでも良い)から、
新組織の方向性に合致するメンバーだけを
集めることができるわけです。

※大学にある起業系・経済系サークルは、
 これに近い形で学生ベンチャーや、
 ビジネス系学生団体を作り出しているケースがある。

解決策2:
組織のポリシーを遵守できるメンバーを集める

「何かを成し遂げる」ために組織を作ったなら
今度は、組織メンバーのモチベーションを高く維持させなければいけません。

その組織の中にモチベーションの低いメンバーが入り、
目標達成が妨げられることは防ぐ必要があります。

そこで大事なのは、「組織のポリシー」の遵守です。

(なんだか、採用コンサルの話みたいになってきましたね。)

まず、
●その組織に入ったら、何をコミットしなければいけないのか
●どういうスタンスで組織に関わる必要があるのか
を明確にします。

そしてメンバー追加の時に

「この人は組織のポリシーを守れるか?」

を判断するわけです。

●ミーティングに出席する
●会費をちゃんと払う

…みたいな単純なルールもあれば、

●やると言った事は最後まで責任を持ってやる
●誰かに聞く前に自分の頭で考える

…のような、心構え的な事柄もあるでしょう。

要は、仲間に入れる前に、大事なことは確認しておけということです。
求めるコミットメントが高ければ高いほど、
共有・確認しておくべきことは増えていきます。

※ベンチャー企業が正社員を採用することなどは、最たる例ですね。
 組織がサークル化してしまうのも、
 ベンチャーが大企業体質になってしまうのも原因は同じだと思います。

明文化して共有できるものは明文化し、
明文化して共有できないものは、
人と人とのコミュニケーションを通して共有を図ることになります。

※世間では、行動指針を共有するために
 クレドカードを作っている会社もありますね。

可能な限り、組織としての「前提条件」を共有し、
認識の相違をなくすことで、
チームを強固なものにすることができます。

だから、組織の設立時・設立後、両方において
しっかりとした『組織のポリシー』を持ち、運用することが肝要なのです。

(…って口で言うのは簡単で、実際やるのが難しいのですが。)

さて、
「組織のポリシーを遵守できる人だけを集めていたら、
メンバーをたくさん集めるのが大変になる」

…と、思う人もいるかもしれません。

でも、ぶっちゃけそれで良いんです。大勢集めなくても。

多くの人間が集まること自体にも意味はあるけれど、

「ここに集まった人間で何かを成し遂げたい!」
と思うなら、そのときはあまり大勢で動こうとしない方がいい。

「コミットできる少人数」が核となって
多くの人が集まるコミュニティを利用する

という形をとった方が、ずっと動きやすいはずです。

大勢の人間を集めたいなら、
別途コミュニティを作ってやれば良いのです。

なお、コミュニティを運営するときには
コミットの高いメンバーも、コミットの低いメンバーも、
双方が満足できるように配慮しなければいけません。

例えば、著者が学生時代に就活イベントを企画運営していた頃、

運営委員会(10名前後)と、
協力してくれる内定者(50名前後)は完全に分けていました。

もちろん運営委員会は組織化されていましたが、
協力してくれる内定者たちは「組織」ではなかったわけです。
内定者たちの集まりはサークルみたいな感じでした。

コミュニティと組織の理想的な関係は

何度も言うように、コミュニティと組織は別のもの。

でも、「シナジーを生める関係」になることは可能です。

ビジネスサークルで出会ったメンバーが
サークルの支援を受けながら起業するとか…

インターネット関係の活動をする学生団体が
ブロガーのコミュニティを形成するとか…

組織とコミュニティは、
お互いにお互いを発展させていくことが
できるのではないかと思っています。

それができれば、
関わる人みんなが満足できる状態を保ちつつ、
何か新しい価値を生み出すことも
出来るようになるのではないでしょうか。

組織を運営している人、コミュニティを主宰している人など
「人の集まり」を作り出している方の参考になれば幸いです。