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「ブラック企業」を公表…そんな事ができるのか?何を基準にすべきか?という話

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「ブラック企業を公表する」という自民党の参院選での公約が話題になっています。

>自民が「ブラック企業」公表提言へ 参院選公約
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0803G_Y3A400C1EE8000/?dg=1

まず確認すべき点として、
「ブラック企業」という言葉はバズワードになってしまっています。

(バズワードとは『専門用語のようにみえるが、具体性がなく明確な合意や定義のない用語』のこと)

だからこそ「ブラック企業かどうかはその人次第」
という意見が出てくるのです。(自分もそう言っていますが)

ある人は残業が多い=ブラック企業だと言いますし、
ある人は残業が多くて尚且つ給与が低い会社をブラック企業だと言います。

またある人は、法令を順守しない企業がブラック企業であり
残業は関係ないと言います。

「ブラック企業」と聞いてイメージするものがみんなバラバラなのです。

仮に政府がブラック企業を認定・公表するためには
まずはバズワードになってしまっている
「ブラック企業」の定義をしっかり行い認識を統一させる必要があります。

「ブラック企業」の定義が定まっておらず
主観的な考えで「あの企業はブラック企業らしい」なんて話がされている
現段階ではブラック企業を客観的に認定することはできません。

ですが、逆に言うと
「ブラック企業」の定義がしっかりなされるのであれば
ブラック企業という言葉は、バズワードという微妙な立場から脱却することができます。

ちゃんとした基準を設けた上でブラック企業判定を行うのであれば
もしかしたら意外と有意義な話になるかもしれません。

(ダメな企業がわかる、というだけの話であって、
 良い企業がわかる、というわけではないのですが…。)

…そう思ってニュースを読んでみたのですが、
中身をみてみると
「就職から数年以内に退職する人の割合が高い企業」などに対しての
「対応強化」を考えているとあります。

このあたりの文脈を読んだ感じ、
「ちゃんと考えてるのかなぁ…」と
心配になってしまうというのが正直なところです。

退職率という『数値』。
これは一見、客観的な情報に見えますが
「そもそもどういう人材を採用するか」次第で変わってくる話です。

採用した人材の男女比率や高卒・大卒の比率だとか、
採用職種によっても違うでしょう。

「辞めやすい層」を採用していれば当然離職率も高くなるし
「辞めにくい層」を採用していれば当然離職率は低くなります。

「退職する理由」によっても全然話が変わってきますし、
仮にその理由を政府が集計したとしても
それが本音の退職理由であるとは限りません。

相関関係と因果関係が全くの別物だということは
統計を勉強した方であれば誰でもわかる話だと思いますが、
仮に「退職率」に注目するのであれば
『因果関係を無視して相関関係だけでブラック企業認定されてしまう』
事になります。

なので、妥当性の高い基準になるなら賛成なのですが、
判断基準については十分に注意してほしいものだと思います…。

あと、比較的中立な立場から就活サイトを運営している者として
「こういった企業は学生に薦めたくないな…」と思う時があるのは事実です。

(今日の話の本筋とはズレるので多くは語りませんが、
 例えば「この時期に活動してる子って売れ残りでしょ?」
 みたいな事をおっしゃる人事がいたりして、
 憤りを感じることも多々あります。)

でもそういった会社も事業状況を見ていると意外に規模が大きかったりして
「彼らがいなければ困る方がいるという事も、否定出来ない事実だろうな…」
と感じたりします。

もちろん法に反している部分においては罰せられるべきなのですが
ブラック企業でも良いから、仕事がとにかく必要だという人達が
一定割合いらっしゃることも事実です。

「結果として、そういった方の働き口が少なくなってしまった…」
というようなオチにはならぬよう、重々気をつけていただきたいものです。

就活SWOTとしては、就活生に企業選びのための「目」を養ってもらうことで
政府主導のそんな取り組みがなくとも納得のいく就活ができるように
していきたいと考えています。

…そんな考えをお持ちの就活支援会社の方がいらっしゃいましたら、
是非何かご一緒できれば幸いです!