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「資本金1円」の会社にまつわるエトセトラ

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先日のプレスリリースになるのですが、
資本金1円から555万円に増資を行いました。

資本金1円 から 555万円へ増資いたしました

エイリストは2009年に立ち上げてから約3年半の間、
資本金1円のまま、金融機関との付き合いもなく継続してきました。

(※資本金増資する直前に、保証協会を利用しての融資を受けています)

それが資本金を増資し、銀行からも借り入れも受け、
普通の会社らしくなってきたわけですが
資本金1円だった頃には色々ありました。

そんなわけで、「資本金1円で会社を作るとどんな事が起こるのか?」を書いてみたいと思います。

書類記入欄が「万」単位で書けない

まず、頻繁に困るのがこれです。
何かの申請書類を書く時、資本金の欄はかなりの確率で「万円」という単位がデフォルトで記載されています。
もしくは「千円」単位であることもあります。

1円起業という制度がありながらも、
資本金が10000円未満であることなど想定されていないのです。

こうした書類に直面した時、経営者が取り得る選択肢は2つ考えられます。
[1] 「0.0001万円」 と記入する
[2] 「万円」の「万」の字を二重線で訂正し、1と記入する

大体の場合は[2]を選ぶのが適切かと思われます。

「資本金1円で潰れないんですか?」と面接に来た学生から言われる

これは半分ネタになっているのですが、
採用の面接を受けに来た学生さんから上記のような質問を受けたことがあります。

これは
「そんな小資本で経営できている秘訣を教えてほしい」
という前向きな意味ではなく

「資本金が少なすぎてつぶれるんじゃないかという懸念を持っています」
というネガティブなニュアンスでの発言です。

経営的な話をすれば資本金の大小は全然本質的ではないのですが、
確かに就職先を決める学生さんからしたら
「大丈夫なの、この会社」と思う気持ちはわからないでもありません。

(逆に考えると、資本金1円しかない会社に入ろうと考えた
 現メンバーの思考回路はどうなっているのか…。)

面接後、「良い踏み絵になって良いんじゃないの。」
という話をメンバーとした覚えがあります。

後で聞いた話によると、
その学生さんは大企業志望だったとのことでした。

逆に言うと、それ以外に困ったことがあまり無い。

しかし、これ以外の場面において資本金が1円だからといって困った事はありませんでした。

大手企業との取引で断られることもなく、
先日の銀行の融資審査でも全く問題にされることなく、
具体的に困るポイントはなかったというのが正直なところです。

にもかかわらず、増資した理由。

そんな状況で、なぜ敢えて増資したのか、と疑問に思われるかもしれません。

色々と考えた結果、ポイントとなったのは、

◎夏に外国籍の内定者(2名)が入社する関係上、ビザ申請時の不安を残しておきたくなかったという事
◎(今までは困らなかったが)自覚していないだけで何らかの機会損失が生まれる可能性はあるという事

という部分です。

保証協会の審査と銀行の融資は資本金1円でも通りましたが、
これから行う就労ビザの申請も同じようにうまくいくとは限りません。

入社するのが「2人同時」という事もあって、会社の信用力に疑問符をつけ得る要素は
なるべく排除しておきたくなった…というわけです。

そして、今後のエイリストでは「新しいお客様の開拓」が1つの課題になると見込んでいます。

「新しいお客様を開拓するなんて、当たり前のことじゃないか…」
と思われるかもしれませんが、
今までは自社サイトを見て問い合わせしてくださるお客様や
元々面識のあるお客様が大半であったため
会社としての信用を疑われることなど全く無かったのです。

しかし今後新しいお客様に対して、ウチのメンバーからアプローチする事も増えていくでしょう。

極端な話、就活SWOTなどの自社サイトを見たことがない方に対して
サービスの提案をする場面も出てくるかもしれません。

そういった場面で1ミリでも「資本金が1円だったから契約できなかったかも…」と
思う可能性があるなら、いっそ増資してしまう方が合理的でしょう。

一個人としての信用力なんてものには限界があるので、
会社として拡大していくためにはやはりそういった部分にも気を遣うべきだと
最近は考えています。

さらに言うと、「利益剰余金を資本組み入れしても税金がかからない」
と知ったのも増資に踏み切った1つの理由です。

昔は、利益剰余金を資本組入れすると「みなし配当課税」があったのですが
現在の税制では課税されません。

「昔なら課税されてた行為なのに、今は課税されない」
…と聞くと、なんとなくお得な気がしますよね。

みなし配当課税の問題があれば
「なんとか資本金1円のままにできないか…」と考えてしまったかもしれないのですが
税金がかからないという事だったので「増資しない理由がなくなってしまった」とも言えます。

世間的には資本金1000万が1つのラインなので
機会を見てもう一度か二度くらいは増資しようと思っています。

(ちなみに、555万円のうち70万円は資本準備金になっているのですが
 この辺りの話を書き出すと長くなってしまうので、
 機会があれば改めて書きたいと思います。)