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労働分配率6割の会社を『平均年収1000万円』にするためには?

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「労働分配率」というのは、会社全体の粗利のうち
何パーセントくらいを人件費に配分しているか、というものです。

例えば、粗利1億円・従業員数が10人の会社があったとして、
平均年収が500万(=人件費合計5000万円)なら労働分配率50%、
平均年収が400万(=人件費合計4000万円)なら労働分配率40%となります。

(なお「人件費率」とよく混同されるのですが、人件費率は「人件費÷売上」。
労働分配率は「人件費÷粗利益」です。)

労働分配率は人件費率よりも重要な数字で、
企業経営における財務分析の5大指標と言われているそうです。

業界によって労働分配率の傾向は大きく違っているのですが、
人件費割合の高いサービス業では6~7割が平均的な数値となっているようです。

http://blog.sr-inada.jp/keiei/roudoubunpairitsu.html
(特定派遣をやっているような人材派遣会社などは、8割を超える模様)

平均年収1000万にするために?

仮に労働分配率6割で考えた場合、
社員の『平均年収』を1000万円以上にするためには
「どの程度の生産性を発揮する必要があるのか?」を考えてみたいと思います。

(※計算が苦手な方は、しばらく飛ばして読んでください…)

まず、1000万円を0.6で割ると大体1666万円になり、
社員1人あたり年間1666万円の付加価値(粗利益)が求められるということがわかります。

年間の休日数が105日だとすると営業日が260日ですので、
1日あたり1人『64076円の粗利益』を出す計算になります。

1日の業務時間が8時間であると仮定すると、一時間あたり約8千円/となります。

しかし、1日8時間のうち常時「収益の出る仕事」に集中できるわけではなく、
当然利益につながらない仕事・雑務も発生します。

ここで、そういった時間が1日のうち2時間程度発生すると仮定しましょう。
すると1日8時間のうち、残り6時間前後で64076円の粗利益を出す計算になってしまいます。

(※計算が苦手な方は、ここから読んでください)

これを時間あたりに換算すると、
『だいたい1時間1万円前後』というわかりやすい数字が算出できます。

この計算から何が言えるのか。

この計算を基準にして考えると、下記のことが言えます。

『社員の平均年収を1000万円以上にしようとした場合、その社員の1時間あたりの生産性(粗利益)が1万円を下回ったら労働分配率が6割を超える(=人件費の割合が過大になってしまう)』

ということです。

もしくは、

『その社員の1時間あたりの生産性(粗利益)が平均1万円を下回っていると、労働分配率6割の場合 その社員の年収は1000万円以下になる』

という事でもあります。

なぜこの数値が大事なのか

創業当時はとにかく売上をあげなければいけないという場面もあり
「追加コストが発生しなければとにかくやる」というスタンスでした。

「粗利益>0」であれば、業務時間を増やしてなんとかやろう…という考え方ですね。

しかし、ある程度収益が立ってくると、次のステージに行かなければいけません。

やるべき仕事、やるべきではない仕事を見極め、
優先順位の高いものに注力して進めていかなければいく必要があります。

そうなった時に「やるかやらないか」の基準となるものは、
その案件自体の収益性、社会的意義、担当者の成長など色々あるのですが
中でも一番わかりやすいのが収益性です。(数値化しやすいので)

お仕事の依頼をいただく時も、受けるかどうか迷ってしまったら
「その仕事は1時間1万円以上の価値を発揮できるか?」
とメンバーに問うようにしています。

(ただし、金銭的なリターンが1万円以上でなかったとしても、
 担当した社員の成長につながるとか、他事業とのシナジーが期待出来る場合は
 将来への投資だと考えて受けていることも多いです。)

単純作業に関しては、必要に応じて外注することも考えられますので
そういった時の判断基準としても有用ではないかと思います。

1時間1万円以上の価値がある仕事を常にできていれば年収1千万円以上もらう事ができるし、
1時間5千円程度の価値がある仕事しかできていなければ年収5百万円程度…という計算になります。

固執するのはマズイが、目安として使える

ただしこの基準に固執しすぎると、身動きが取りづらくなってしまう側面はあります。

ですので固執はしていないのですが、わかりやすい指標として重宝しています。

報酬額が決まっている場合、
作業に必要な時間を見積もれば採算に見合うかどうかがわかりますし、
見合わない場合、やり方を根本から変えるか、見送るという判断になります。

もちろん、小さなベンチャー企業の場合だと特に
そこまで「割の良い」案件ばかり手がけられるわけではありませんし、
実態としては『時間あたりの生産性の低さを 労働時間で補っている』会社が大半だと思います。

しかし、それを当然のことだと考えていてはダメで、
『根本に近い部分から業務の進め方を変える手がかり』にするためにも
ある程度 目標値は高くしておくことが必要だと思っています。

言い換えると「業務フローを改善していくため、基準となる目標数値」なのです。

あとは設定した目標値に対して
どういう行動が効果的だったか、どういう行動が効果的ではなかったか
…というPDCAサイクルを回していく事が重要だと思います。

実際「1日のうち●時間は、1時間あたり☓☓☓☓円以上のバリューを出さなければ!」…と思いながら仕事していると、適度に良いプレッシャーにもなるかと思います。

ちなみに、このブログを書くのに要した時間は30分程度。
5000円以上の価値があるならOKということになりますが、
果たしてそれだけの価値はあるのか、どうか…(笑)

社員1人当たりの粗利益について

なお、先ほどの計算では1人あたりの粗利を1666万円としていましたが、
実際には1500万円前後が1つの基準になっている模様です。